【小説】恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる

よすが結婚相談所へようこそ。
所長の立川です。

私が普段お世話になっている方に、Bar Bossa林伸次さんという方がいらっしゃいます。
Bar Bossaは東京の奥渋谷にあるワインバーで、林さんはそのお店のマスターです。
林さんはそのお人柄でお店に来るお客さんの恋愛相談にのることが多く、それらの経験をもとに(もちろんお客さんに了承をいただいた上で)多くのメディアで連載を持たれています。このブログの読者でご存知の方も多いかと思います。

その林さんが昨年初めて出した小説が、この「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる」です。
とても素敵な小説だったので紹介させてください。

舞台は渋谷のとあるバー。お店に来る様々なお客さんがマスターに自分のことを語りながら物語が進んでいきます。

この小説のとても素敵なところは、使われている言葉や文章が最小限であることです。いや最小限どころか、むしろ足りていないくらいかもしれません。状況の説明や登場人物の心理描写は驚くほどにミニマムです。

言葉が足りていないことにより生まれる魅力、それは行間が豊かなことです。何も書いていない、文章と文章の間に、豊かな情報と深い余韻があるのです。読んだ方には分かると思うのですが、読み始め「文章を読んでいる」つもりで進めていくと、だんだんと自分が「行間を読んでいる」ことに気づきます。

行間には文章がありません。物理的にはただの空白です。ですが、そこには情緒豊かな世界が広がっています。
沈黙こそ雄弁である、なんて言ってみると、男女のコミュニケーションにも通ずるところがありそうですよね。私はプライベートでは割と喋りすぎてしまうことが多いのですが、相手とコミュニケーションをとりながら、同じ時間を共有しながら、沈黙を楽しめる大人には憧れます。

Bar Bossa の看板

Bar Bossaはとても素敵なお店で、カウンターに座っているだけでなんだか自分がちょっと大人に、おしゃれになったような気分になれる場所です。
「恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる」を片手にお店のカウンターに座って、流れる時間を静かに楽しむ。そんな過ごし方も素敵ではないでしょうか。

バールボッサ

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