自己肯定感が低くても楽しく生きるための方法論
こんにちは。よすが結婚相談所、所長の立川です。
婚活をサポートさせて頂いているお客様の中には一定割合、自己肯定感の低さに悩んでらっしゃるお客様がいらっしゃいます。
自己肯定感が低いから、相手を好きになれない
自己肯定感が低いから、相手からの好意を素直に受け入れられない
自己肯定感が低いから、自分に好意を持ってくれた相手のことを見下してしまう
自己肯定感が低いから、自分が結婚して幸せになる将来を想像できない
このような悩みに苦しんでらっしゃる方はとても多いと思います。
更に言えば、ただ婚活という活動で浮き彫りになるというだけで、これは婚活に関わらない普遍的な生き方についての話ではないでしょうか。
これまで「婚活」というフィールドの中でこれまで多くのお客様の悩みを聞かせていただきました。
その過程でこの「自己肯定感の低さ」という悩みの解決法について私なりに言語化できたので、今回それを共有させていただければと思います。
1.そもそも「自己肯定感が低い」とはどのような状態なのか
いきなり面倒なところから入る感じですが「敵を知り己を知れば百戦危うからず」と昔の偉い人も言っていますし、まず戦うべき敵を知ることは大切です。
そもそも自己肯定感とは「自分は今のままでいい、大切な存在で、社会に受け入れられる存在だ」と思えることです。ここから「自己肯定感が低い状態」とは「自分は今のままではダメだ、大切な存在ではなく、社会に受け入れられていない存在だと自分自身が感じている状態」と言い換えられます。
そして、次が非常に重要なポイントなのですが「自分は今のままではダメだ、大切な存在ではなく、社会に受け入れられていない存在だ」と判断しているのは、紛れもない自分自身だということです。
つまり「自分で自分自身を評価し、否定している」のです。
では、何を持ってして自分自身を否定しているのかというとそれは「自分で作った(人を判断する)評価軸」です。
上記をまとめます。つまり
「自分で作った(人を判断する)評価軸で自分自身を評価し、否定している状態」
すなわちこれが「自己肯定感が低い」の正体です。
2.「自己肯定感が低い人」とは一体どんな人なのか?
1で「自己肯定感が低い=自分で作った(人を判断する)評価軸で自分自身を評価し、否定している状態」であることを明らかにしました。では自己肯定感が低い人というのはどのような人でしょうか?間違いなく言えるのは「自分で作った(人を判断する)評価軸で自分自身を評価している人」ということです。
そしてここからが第2の重要ポイントです。自分で作った評価軸で自分自身を評価する人は、大抵の場合、自分で作った評価軸で自分以外の人間も評価しています。つまり
「自己肯定感が低い人=自分で作った(人を判断する)評価軸で自分自身と自分以外の人を評価している人」
ということになります。
そして次です。ここは一番賛否が分かれるところかもしれませんが、自己肯定感が低い人というのは、無意識に人を見下しがちな人だということです。なぜなら自分で作った評価軸を制御できずに自分を傷つけている人なので、同時にその制御不能な評価軸の刃は自分以外の人にも、自分の意思とは無関係に向いてしまうからです。
(ちなみに上記の例外として「自分以外の人はみんなすごいのに、自分だけはダメだ」と考える人もいますが、そういう人は通常、自己肯定感が低い人とは言われず、劣等感に苛まれている人と言われると思います)
まとめると
「自己肯定感が低い人=自分の評価軸で自分と他者を評価し、自分自身と他者の多くを見下している人」
ということです。
3.ではどうすれば良いのか?
いよいよ解決策を述べたいと思います。
自己肯定感の低さについてネットでいろいろ調べてみると、それらしい解決策は沢山出てきます。ですがほとんど「自己肯定感を得るには、とにかく小さいことでも良いから自分を肯定し続けること」みたいな解決策しかありません。それってなんだか「パンが無くてお腹が空いているのなら、ケーキを食べればいいじゃない」と言われてるみたいな違和感があります。
「自己肯定感が無いなら、自己肯定感を取り戻す」というのはアプローチとしては正しいのでしょうが、個人的にはなんというか、ネガティブな性格の人を無理矢理ポジティブに変えるような歪みを感じずにはいられないのです。
私の方法は自己肯定感を回復するためのものではありません。むしろ「ある程度大人になっちゃうと性格を直すのって無理だよね」というスタンスで、その性格のままでもなんとか楽しく生きるためのやり方であり「人は生きているだけで価値がある」ということを頭から信じることができずに悩んでいる人向けの方法論です。
私の提案する方法は「自分の中に多くの評価軸をつくる」ことです。
自分自身が作り上げた評価軸によって苦しんでいる人は、単一もしくは極めて少ないバリエーションの評価軸しか持っていないことがほとんどです。ですが少し冷静に考えてみれば、人間社会は多様性により成り立っていて、それに無理矢理優劣をつけてみても虚しいということに気づくと思います。
「足が速い人」「美人」「計算が得意な人」「人の気持ちを察するのが上手な人」「笑わせるのが得意な人」「商売が上手な人」「人の心を掴むのが上手な人」「美しい筋肉を持った人」「相手に警戒心を抱かせない人」「絵を描くのが得意な人」「絵は下手だけど、その人に描いてもらうと絵のモデルが優しい気持ちになれる人」
この中で誰が上とか誰が優れているかという議論は無意味だと思いますし、それなりの年月を生きてきた大人ならば、社会の構成員には多様性が必要だということは嫌というほど経験しているはずです。「収入が高い」とか「顔が良い」とか「コミュニケーション力が高い」とか、そんなことだけで優劣がつくほど、人間社会はシンプルではないのです。
人を評価してしまう性格を変えるのは諦めたとしても、そういう風にこの社会を受け止め、自分の中の評価軸の種類を増やしたら(自己肯定感の獲得はさておき)、自分や他者を傷つけることが少し減らせるのではないでしょうか。あとは他者を見下すことが減る(=性格が良く見えるようになる)ので、そういった意味でも生きやすくなるはずです。
さてここまで勢いに任せて偉そうに書いてしまったのですが、これはあくまで邪道というか裏技的なものであって「自己肯定感の獲得」という王道の解決策ではないということを改めて申し上げておきます。
ただその王道の解決策のハードルが高くて苦しんでいる方の一助になればと思い、書かせていただきました。
大事なことは、自分自身と他者を自分の評価軸で判断してしまう嫌な性格を一旦受け入れてしまった上で、その刃で他人を傷つけないこと、そして自分自身を傷つけないことだと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。