樹木希林さんの娘さんの言葉で夫婦について考える
よすが結婚相談所、所長の立川です。
今月15日に女優の樹木希林さんがお亡くなりになりました。
私はつい最近、彼女の出演作品でありカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したことでも有名な映画「万引き家族」を観たのですが、相変わらずの圧倒的な存在感を放っていました。近年は「死ぬときぐらい好きにさせてよ」というコピーの新聞広告に出演されたり、テレビCMで幽霊役をされるなど、個人的にはあの世とこの世の境目にいらっしゃるような独特な雰囲気の女優さんだなという印象がありました。
ご冥福をお祈りいたします。
それで先日テレビで樹木さんの告別式の様子を見たのですが、そこでとても印象に残ったことがありました。樹木希林さん内田裕也さんご夫妻の娘さんでエッセイストの内田也哉子さんの遺族代表挨拶です。樹木さんと内田さんは独特の夫婦関係を築かれていることで有名で、40年以上の別居生活をされながらも婚姻関係を続けられており、そのことに関する部分です。
以下、ご紹介します。
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ーー前略ーー
私が結婚するまでの19年間、うちは母と私の2人きりの家庭でした。
ーー中略ーー
ところが困った私が、『なぜこのような関係を続けるのか』と母を問い詰めると、平然と『だってお父さんにはひとかけら、純なものがあるから』と私を黙らせるのです。
自分の親とはいえ、人それぞれの選択があると頭ではわかりつつも、やはり私の中では、永遠にわかりようもないミステリーでした。
ーー後略ーー
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也哉子さんはその後に続く言葉で、昔父(裕也さん)が母(希林さん)に宛てた手紙を偶然発見し、父と母のあり方へのわだかまりが解けたとお話しされています。
私にとってのこのお話の印象的なところは”子どもの視点からでも分からない夫婦関係がある”ということです。
「何を当たり前のことを」とツッコミを受けてしまいそうですが、私達は”自分の親の夫婦関係については完全に分かっている”ような錯覚を無意識にしがちです。親の視点になって冷静に考えてみれば子供に見せていない、説明していない側面があって当然ですよね。
お客様とお話ししているとよく「自分の両親は仲が悪かった or 良かった」という話題が出るのですが、実はそれは”子供から見た”夫婦関係であって、それ以外にも、それ以上にも、様々な側面があるはずなんですよね。
婚活はとても大変なことで、楽しいことばかりではありません。ですが自分を育ててくれた両親の関係ってどうだったんだろうと、成長した大人として改めてフラットに見てみる機会になることもまた、事実だと思います。
そんな風にお客様にとっての活動が将来の結婚生活を良くするための前向きな時間になれば良いなと思いながら、今日もいろいろな方のお手伝いをさせていただいてます。