昔働いていた旭化成で同じフロアにいた吉野さんがノーベル賞を受賞された話

よすが結婚相談所へようこそ。
所長の立川です。

今日はすみません、婚活に関係の無い、私の昔話をします。

2019年のノーベル化学賞が発表され、旭化成名誉フェローの吉野彰さんを含む3名がリチウムイオン電池の功績により受賞されました。日本人の受賞はとても嬉しく思います。おめでとうございます!

それでここからが本題なのですが、実は私、学校を出て新卒で3年ほど旭化成で働いていたんですよ。しかも吉野さんのすぐ近くで。(ちなみに違和感を感じられる方もいらっしゃると思うので説明すると、旭化成はどんな役職の方でも「さん」づけする文化があって、社長ですら「社長の○○さん」なんです。それに倣ってここでは「吉野さん」とさせていただきます)

私が入社した2011年当時、吉野さんは特別顧問か名誉フェローといったような肩書きで私がいた事業部のすぐ隣の事業部にいらっしゃって、席も左前方斜めくらいの、見える位置にいらっしゃいました。カーボンナノチューブの飯島澄男先生らと並んで当時からノーベル賞候補と言われていた吉野さんのことはもちろん入社前から知っていたので、新入社員の私は上司に連れられ初めて自分の席に座った時に「あ、この『吉野』ってあのリチウムイオン電池の吉野さん!?こんな近くにいるのか!」と驚いたことは覚えています。それからというもの物理的には近い場所で働くことになるのですが、異なる事業部ですし、いち新入社員と会社の生きる伝説という格差があります。個人的な交流があった訳ではなく、せいぜい新入社員の仕事として年に一度開催する社内レクリエーション会の出席を取りに回った時に

「あの、失礼します。吉野さん、今度の社内レクはご出席でよろしいでしょうか?」

「はい、うん。出席でお願いします」

「かしこまりました!」

程度のやり取りをしたくらいでした。
そう言えばその社内レクで吉野さんと一緒に写真を撮らせてもらった記憶があるのですが、もう随分前のことですしあの写真を今誰が持っているのかも分かりません。

さて、入社後初めてのノーベル賞発表シーズンを迎えた時のことです。
フロアの様子がいつもと違い妙に浮き足立っていることを感じた私が上司に「なんか今日、会社の雰囲気が違いませんか?」と訪ねたところ「今日はほら、ノーベル賞の発表があるだろ?そっか、初めてだもんな」とのこと。あーそうか、社内にノーベル賞候補者がいるというのはこういう雰囲気なのかと、あの時は納得感と少しの高揚感を感じました。発表後はみんな粛々と仕事に戻るんですけどね。

その後3年目に部署異動で吉野さんと同じ事業部になったのですが、何百人といる大事業部の3年目社員とレジェンドという関係ですから相変わらず直接の接点はありませんでした。ですが私の感じ方として大きく変わったことがあって、それは同じ事業部になったことにより、吉野さんの研究開発の成果を直接感じられるようになったことです。

旭化成のリチウムイオン二次電池といえば当時社内でも有数の事業部で、市場の追い風も受けて、ものすごい勢いでビジネスが成長していました。その勢いに揉まれながら異動直後の私は分からないなりにも必死に仕事をしていました。そんな中で私の教育係をしていただいた、定年間近の事業部の生き字引のような大先輩社員さんがいたのですが、その方が事業立ち上げ期に吉野さんと一緒に仕事をしていたようで、たまに楽しそうにその頃の雰囲気や苦労話を話してくれたことはよく覚えています。

まだものになるかも分からない研究テーマを信じて前に進み、その研究成果が多くの社員の努力によって事業として立ち上がり、今こうして大きく成長をしている。すごく壮大で、グッとくるストーリーです。

ここまで書いて思い出したのですが、よすが結婚相談所を立ち上げてから初めてのご成婚会員様は旭化成の方でした。
在職時代には本当に多くの方にお世話になりましたし、辞めてからもなんとなく繋がっている感じがする。旭化成は私には深い縁のある会社です。

ここまで私の個人的な昔話にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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