中川寛子氏の「解決!空き家問題 (ちくま新書)」は読むと元気の出る一冊!
僕の師匠の(正確には僕が勝手に師匠としている)中川寛子さんが先日「解決!空き家問題 (ちくま新書)」という新書を書かれました。
中川さんには今年の春くらいに「空き家問題と未婚率上昇の問題を同時に解決したいので、知恵を貸してください」と唐突に連絡して押しかけて以来いろいろとお世話になっています。
本を読ませて頂き、別に書評というほどではないのですが感じたことを書こうと思いました。
突然ですが、まずタイトルが良いんです。
「解決!空き家問題 」って、何の問題か提示する前にイキナリ「解決!」と宣言しているんですよ?良い意味で、あくまで良い意味なんですが、初めてタイトルを聞いた時に僕は爆笑しました。だって前のめり過ぎますもん笑
でも実際に読み進めると分かるのですが、中川さんは「空き家問題」の解決に向けて、タイトル通り一貫して前向きな姿勢なんです。空き家問題って結局は法律とか物理的制約というよりかは人間依存の問題で、それはつまりとても面倒な問題ということなんです(少なくとも僕はそう理解しました)。でも中川さんは前向きで、各ステークホルダーの気持ちに寄り添いながらひとつひとつ解決策を提示されているのです。
この本は全編にわたって、中川さんの優しさで覆われています。
- 今まさに空き家問題に困っている人の声を届けたい
- 解決に向けて具体的な策を提示したい
- 解決に向けて頑張っている個人や組織を応援したい
- この問題を次世代に負わせてはいけない
そんな思いがひしひしと伝わってきます。
また、これは僕が勝手に読み取った裏テーマなのですが、おそらく中川さんはこれから空き家問題を解決するために動こうとしている人たちに道標を示したかったんじゃないかと思ってます。
前述した通り僕自身が「空き家問題と未婚率上昇の問題を同時に解決したい」と考えているからそう感じるのかもしれませんが、どんな問題があって、どんな人に話を聞きにいけば良くて、誰が仲間になってくれそうか。そういったことが分かるようになっているのです。
もちろんそんなモチベーションで読む人なんてそう多くはないと思うのですが、少なくとも僕はそういう視点で読みましたし、その観点からもとても素晴らしい本だと思いました。
どんな時代でも本当に解決しなくてはならない社会問題は一筋縄ではいかず、面倒でやっかいで、解決するまでに時間がかかるものだと思います。
僕は少なくとも自分では、今本当に取り組まなければいけない課題に取り組んでいるつもりですが、こういうエネルギーの塊のような本を読むと「自分はまだまだだな」と反省するばかりです。